掛売りはなぜ主流?メリット・デメリットとリスク回避術3選【初心者必見】
ビジネスの現場で当たり前のように行われている「掛売り」。
起業したばかりの方や個人事業主の方の中には、「なぜわざわざリスクのある後払いにするの?」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、掛売りが普及しているのには、日本の商習慣だけでなく圧倒的な事務効率化と信頼関係の構築という深い理由があるのです。
- 掛売りはなぜ多くの企業で導入されているのか?その根本的な理由
- 掛売り取引における売り手側のメリットとデメリット
- 買い手側が掛売りを希望する本当の狙いとは?
- 掛売りにおける「与信」の重要性と審査の仕組み
- 掛売りでよくあるトラブルと回避するための防止策
- 掛売り決済代行サービスが注目されている理由
- 個人事業主やフリーランスが掛売りを導入する際の注意点
- 掛売りにおける「締め日」と「支払日」の最適な決め方
- なぜ掛売りは「黒字倒産」を招くと言われるのか?
- 掛売りをスマートに管理するためのDXツール3選
- 掛売りにおける「印紙税」と「消費税」の注意点
- 掛売りのリスクを最小化する「取引基本契約書」の雛形ポイント
- 掛売り決済における「与信審査」を通過するためのポイント
- 海外取引(輸出入)における掛売りのリスクと回避策
- 掛売り管理が楽になる!導入すべきアウトソーシングの形
- 【結論】掛売りを制する者がビジネスを制する
掛売りはなぜ多くの企業で導入されているのか?その根本的な理由

商慣習としての「信用取引」の歴史
日本において掛売りがこれほどまでに普及している最大の理由は、長年培われてきた「信用取引」という文化にあります。
江戸時代の「付け払い」にルーツを持つこのシステムは、相手を信頼して先に商品を渡し、後でまとめて代金を受け取るという形です。
この「信頼」をベースにした取引は、契約をスムーズに進めるための潤滑油として機能してきました。
都度払いの手間を省く事務効率の向上
もし、一日に何度も取引がある相手に対して、その都度現金で支払いをしていたらどうなるでしょうか?
振込手数料が膨大になるだけでなく、経理担当者の入力作業や確認作業もパンクしてしまいます。
掛売りであれば、1ヶ月分を「1枚の請求書」にまとめて処理できるため、業務コストを大幅に削減できるのです。
キャッシュフローの柔軟性を確保するため
買う側(買い手)にとって、手元に現金がなくても仕入れができるのは大きな利点です。
仕入れた商品を販売し、その売上金が入ってから仕入れ代金を支払うことができるため、手元の資金(キャッシュ)を別の投資に回すことが可能になります。
これが、成長スピードの速い企業が掛売りを好む大きな理由の一つです。
掛売り取引における売り手側のメリットとデメリット
【メリット】売上の拡大と継続的な取引の促進
掛売りを導入することで、買い手は「今お金がなくても注文できる」ようになります。
これにより、現金取引のみの場合と比較して、1回あたりの注文金額(客単価)が上がりやすくなる傾向があります。
また、「この会社とは掛売りができるから次も頼もう」というリピート率の向上にも繋がります。
【デメリット】未回収リスクと資金繰りへの影響
売り手にとって最大の恐怖は、商品を納品したのに代金が支払われない「貸し倒れ」です。
相手企業の倒産や経営悪化により、本来入るはずだった資金が入らなくなると、自社の経営まで危うくなります。
また、売上は立っていても現金が手元にない「黒字倒産」のリスクも常に付きまといます。
管理コストの増大(与信管理の必要性)
掛売りを行うためには、「この会社にはいくらまで貸していいか」を判断する与信審査が必要です。
定期的に相手の財務状況をチェックしたり、請求書の発送・入金確認を行ったりする手間は、現金取引にはないコストです。
最近ではこれらの管理を自動化する通販型の決済サービスがコスパ最強で、多くの企業に選ばれています。
| 項目 | メリット | デメリット |
| 売上面 | 客単価・リピート率向上 | 未回収による損失リスク |
| 資金面 | 大きな案件を受注可能 | 手元の現金が一時的に減る |
| 事務面 | まとめて請求が可能 | 与信管理の手間がかかる |
買い手側が掛売りを希望する本当の狙いとは?
支払いまでの猶予期間で収益を最大化
買い手企業は、商品を受け取ってから実際に支払うまでの「支払いサイト」を利用して、戦略的に資金を運用します。
例えば、末締め翌月末払いであれば、最長で約60日間の猶予が生まれます。
この間に商品を加工して販売し、利益を確定させてから元手を払うという、非常に効率的なビジネスモデルが組めるのです。
経理処理のシンプル化によるミス防止
複数の仕入れ先がある場合、バラバラのタイミングで支払いが発生すると、管理が煩雑になり振込ミスが発生しやすくなります。
すべての取引を掛売りに統一することで、毎月の支払い日が固定され、キャッシュアウトの予測が立てやすくなります。
企業規模が大きくなるほど、この「予測可能性」は経営判断において極めて重要視されます。
対外的な「信用度」の証明としての活用
掛売りで取引ができるということは、相手企業から「この会社は代金を支払う能力がある」と認められた証拠です。
新規の大きなプロジェクトを立ち上げる際、掛売り実績があることは他社への強力なアピールポイントになります。
銀行からの融資審査においても、健全な掛売り取引が行われていることはプラスの評価材料となります。
掛売りにおける「与信」の重要性と審査の仕組み
与信限度額の設定とその基準
「与信」とは、文字通り信用を与えることを指します。
取引を開始する前に、相手企業の資本金、従業員数、設立年数、過去の支払い実績などを調査します。
これらの情報を元に、「この会社には月間100万円までなら掛売りを認める」といった「与信限度額」を設定します。
帝国データバンクや東京商工リサーチの活用
自社だけで相手の信用を判断するのが難しい場合、専門の調査機関のデータを利用するのが一般的です。
点数化された企業の評価スコアを確認することで、客観的な判断が可能になります。
近年では、Amazonなどのネット通販プラットフォームが提供する簡易的な与信システムも、スピード感があり非常に人気です。
継続的なモニタリングが必要な理由
一度審査を通ったからといって、永遠に安全なわけではありません。
「最近、担当者への連絡がつきにくくなった」「注文内容が急に変わった」などの兆候は見逃せません。
常に相手の状態をウォッチしておくことで、貸し倒れのリスクを最小限に抑えることができます。
掛売りでよくあるトラブルと回避するための防止策
入金遅延が発生した際の初期対応
もし約束の日に入金がなかった場合、まずは「うっかり忘れ」を疑って丁寧に確認の連絡を入れます。
ここで感情的にならず、淡々と事実を確認することが、その後の関係維持のためには重要です。
しかし、何度も繰り返される場合は、取引条件の見直しや一時的な停止も検討しなければなりません。
請求書の不備による支払い拒否を防ぐ
意外と多いのが、「請求書の金額が違う」「内容が不明確」といった理由で支払いが止められるケースです。
このような事務的なミスは自社で防げるリスクですので、発送前のトリプルチェックは欠かせません。
最近は電子請求書サービスを導入することで、こういったヒューマンエラーを劇的に減らすことができます。
契約書(基本取引契約書)の締結を怠らない
口約束での掛売りは、トラブルの際に何の証拠にもなりません。
「いつまでに払うか」「遅れた場合の延滞金はどうするか」を明記した契約書を必ず交わしましょう。
契約書があるだけで、相手側への心理的なプレッシャーとなり、未回収の抑止力として働きます。
掛売り決済代行サービスが注目されている理由
未回収リスクを100%保証してくれる安心感
決済代行サービスを利用する最大のメリットは、万が一買い手が支払わなくても、代行会社が売上金を保証してくれる点です。
これにより、売り手は未回収リスクを一切気にすることなく、積極的に販路を拡大することができます。
特に、新規顧客開拓に力を入れたいスタートアップ企業にとって、この保証は非常に心強い味方です。
与信審査・請求業務をまるごと外注できる
面倒な与信審査や、毎月の請求書発行、入金確認の督促作業まで、すべて代行会社が行ってくれます。
これにより、自社の経理スタッフを増員することなく、大量の取引をさばくことが可能になります。
人件費を抑えつつ、業務の質を高めることができるため、通販感覚で導入できるサービスが人気です。
キャッシュフローが安定し経営が楽になる
多くの代行サービスでは、入金日が一定に保たれるため、資金繰りの計画が非常に立てやすくなります。
サービスによっては早期入金オプションもあり、売上を即座に現金化して次の投資に回すことも可能です。
楽天市場やYahoo!ショッピングなどのB2B版を利用する感覚で、手軽に導入できるのが現代のトレンドです。
個人事業主やフリーランスが掛売りを導入する際の注意点
法人取引で「掛売り不可」が命取りになる理由
個人事業主やフリーランスがB2B(法人向け)ビジネスを展開する場合、企業側から「掛売り」を条件に提示されることがほとんどです。
法人にとって、個人相手だけに都度振込を行うのは事務コストが高すぎるため、「掛売りができないなら他を当たる」と断られてしまうケースも珍しくありません。
大きなチャンスを逃さないためにも、個人であっても掛売りに対応できる体制を整えておくことが、売上拡大の絶対条件となります。
個人の信用力を補完する「ファクタリング」の活用
個人事業主の場合、自社の資金力に余裕がない状態で掛売りを行うと、入金までの1〜2ヶ月間の生活費や経費が枯渇する恐れがあります。
そこで検討したいのが、請求書を買い取ってもらう「ファクタリング」サービスです。
手数料はかかりますが、即日で現金を確保できるため、通販で即配を利用するような感覚でキャッシュフローを改善できるコスパ最強の手段と言えます。
未入金時に泣き寝入りしないための督促フロー
個人だからと支払いを後回しにする悪質な業者もゼロではありません。
入金が1日でも遅れたら、即座にメールまたは電話でリマインドを行う「自動督促システム」のようなルールを自分の中で決めておきましょう。
毅然とした態度で「支払期限を守るのがビジネスの基本である」と伝えることが、その後の健全な取引関係に繋がります。
掛売りにおける「締め日」と「支払日」の最適な決め方
業界標準の「20日締め・翌月末払い」とは?
日本のビジネス界で最も一般的なのが、毎月20日に1ヶ月分を締め切り、その翌月の末日に支払うというスケジュールです。
この設定にすることで、請求書の作成に10日間、相手の支払い準備に1ヶ月という十分な猶予が確保されます。
自社で独自に設定するよりも、まずは「業界のスタンダード」に合わせておくことで、取引先との交渉がスムーズに進みやすくなります。
資金繰りを優先した「末締め・翌15日払い」のメリット
もし、自社が仕入れ先に対して早めに支払わなければならない状況なら、支払日を前倒しに設定する交渉も必要です。
例えば「15日払い」に設定できれば、月の半ばに現金が入るため、月末の様々な支払いに充てることが可能になります。
ただし、相手企業の経理サイクルに合わない場合は断られることもあるため、契約前の段階で慎重にすり合わせを行いましょう。
サイト(支払い期間)を短くするための交渉術
支払いサイト(締め日から支払日までの期間)が長いほど、自社のリスクは高まります。
「初回取引の3ヶ月間は短めのサイトでお願いしたい」といった条件を提示するのも一つの手です。
信頼が積み重なった段階で徐々にサイトを伸ばしていくというステップを踏むことで、貸し倒れリスクを段階的に管理できます。
| 設定パターン | 特徴 | 向いているケース |
| 20日締め・翌末払い | 最も一般的でトラブルが少ない | 一般的な法人取引 |
| 末締め・翌末払い | 月次決算と一致しやすく管理が楽 | 多くのSaaS系サービス |
| 末締め・翌15日払い | 現金回収が早く、資金繰りに有利 | 中小企業・個人事業主 |
なぜ掛売りは「黒字倒産」を招くと言われるのか?
損益計算書上では「儲かっている」のに現金がない矛盾
掛売り取引では、商品を納品した瞬間に「売上」として帳簿に記録されます。
利益も確定しているように見えますが、実際にはまだ通帳にお金が入っていない状態です。
この「利益」と「現金」のタイムラグを正しく把握できていないと、税金の支払いや給与の支払いができなくなる落とし穴があります。
急激な売上拡大がキャッシュを圧迫する仕組み
意外なことに、商売が絶好調なときほど黒字倒産のリスクは高まります。
売上が増えると、それを作るための材料費や人件費が先に発生し、現金がどんどん流出していくからです。
「売れば売るほど手元の現金が減っていく」という掛売り特有の現象を理解し、あらかじめ余裕を持った資金調達をしておく必要があります。
在庫投資と売掛金回収のバランスを保つコツ
在庫を大量に抱え、さらに売掛金の回収が遅れると、企業の血液である現金が完全に止まってしまいます。
これを防ぐには、「売掛金回転期間」を常に意識することが大切です。
Amazonや楽天市場での販売データなどを参考に、適正な在庫量と回収スピードのバランスを保つことが、コスパ最強の経営管理術です。
掛売りをスマートに管理するためのDXツール3選
請求業務の自動化を実現する「クラウド型請求ソフト」
手作業でExcelを使って請求書を作っているなら、今すぐクラウド型ソフトに切り替えるべきです。
納品書からボタン一つで請求書が作成でき、メール送信や郵送代行まで自動で完了します。
入金消込(どの入金がどの請求書分かを確認する作業)も銀行口座と連携して自動で行えるため、ミスが激減します。
AIが与信判断をサポートする「オンライン決済プラットフォーム」
最新のツールでは、AIが過去の膨大な取引データから相手企業の倒産確率を瞬時に算出してくれるものもあります。
自社で調査会社に依頼するよりも安価で、しかもスピーディーに判断ができるため、ネット通販のように即断即決が求められる時代にマッチしています。
メルカリの法人版のような手軽さで、安全に掛売りを始められるサービスが急速に増えています。
入金遅延を即座に知らせる「ダッシュボード機能」
複数の売掛金を抱えていると、どこが入金済みでどこが未入金か分からなくなりがちです。
経営管理ツールのダッシュボードを使えば、未入金の案件が赤いアラートで表示され、一目でリスクを察知できます。
この視覚的な管理によって、対応の遅れを未然に防ぎ、健全なキャッシュフローを維持することが可能になります。
掛売りにおける「印紙税」と「消費税」の注意点
領収書の発行が不要になることの税務メリット
現金取引では領収書の発行が必須となり、金額に応じて収入印紙を貼る必要があります。
一方、掛売りは銀行振込で行われることが多いため、振込明細が領収書の代わりとなり、印紙代を節約できるという隠れたメリットがあります。
年間で数千回、数万回の取引がある企業にとって、この印紙代のコストカットは無視できない大きな金額になります。
インボイス制度開始による請求書の書き方の変化
2023年10月から始まったインボイス制度により、掛売りの請求書には「登録番号」や「適用税率」の明記が厳格化されました。
不備のある請求書を発行してしまうと、相手企業が消費税の控除を受けられなくなり、大きな迷惑をかけてしまいます。
最新の税制に準拠したテンプレートを使用し、「相手に選ばれるスマートな請求書」を発行することが信頼獲得に繋がります。
未回収の売掛金を「貸倒損失」として計上する方法
万が一、未回収となってしまった売掛金は、一定の条件を満たせば「損失」として計上し、法人税を減らすことができます。
ただし、そのためには適切な督促記録や、相手企業の倒産状況を証明する書類が必要です。
「回収できなかったから終わり」ではなく、最後の最後まで税務的なメリットを享受できるよう、日頃の管理を徹底しておきましょう。
掛売りのリスクを最小化する「取引基本契約書」の雛形ポイント
遅延損害金の設定で支払いへの意識を高める
契約書には必ず「支払いが遅れた場合には、年利〇%の遅延損害金を加算する」という条項を盛り込みましょう。
実際に請求するかどうかは別として、この一文があるだけで、相手企業の経理担当者は「絶対に期限内に払わなければ」という優先順位を上げることになります。
金利の設定は、一般的な「年14.6%」程度にするのがビジネス上のマナーです。
契約解除条項を具体的に記述しておく
「1回でも支払いが滞った場合は、残りの債務を直ちに支払い、今後の取引を停止できる」という条項も必須です。
これにより、状況が悪化した際に傷口を広げず、スピーディーに撤退する判断が下せるようになります。
通販サイトの利用規約などを参考に、自社の権利をしっかり守る内容にしておくことが大切です。
裁判管轄を「自社に近い裁判所」に指定する
万が一、法的手段に訴えることになった際、遠方の裁判所まで出向くのは大変な負担になります。
「本契約に関する紛争については、当社所在地を管轄する地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする」という文言を入れておきましょう。
これだけで、いざという時のコストと手間を大幅に削減することが可能になります。
掛売り決済における「与信審査」を通過するためのポイント
決算書の数字を整え企業の透明性を高める
買い手として掛売りを希望する場合、相手企業による与信審査が行われます。
審査を通しやすくするには、決算書の内容が健全であることはもちろん、「自社のホームページや会社概要」が整備されていることが重要です。
実態が見えない企業に対しては、どんなに担当者が信頼できても、システム上の与信枠が降りないケースが多いからです。
少額取引から始めて「支払い実績」を積み上げる
最初から数千万円単位の掛売りを依頼しても、実績がなければ断られるのが当然です。
まずは現金取引や少額の掛売りからスタートし、数ヶ月間にわたって「1日も遅れずに支払う」という実績を作りましょう。
この「積み重ね」こそが、将来的に大きな枠の与信を勝ち取るための最も確実でコスパ最強の近道となります。
銀行融資や公的制度の利用状況も評価対象に
銀行からプロパー融資を受けている、あるいは日本政策金融公庫などの公的な支援を受けている事実は、他社にとっても大きな安心材料になります。
「他が貸しているなら安心だ」という心理的効果(シグナリング)が働き、与信審査がスムーズに進むことがあります。
自社の信頼性を客観的に証明できる材料は、契約交渉の場に惜しみなく投入しましょう。
海外取引(輸出入)における掛売りのリスクと回避策
為替変動による「実質的な減収」を防ぐ方法
海外企業と掛売りを行う場合、納品時と入金時の為替レートの差が大きなリスクになります。
「1ドル150円のつもりで売ったのに、入金時には140円になっていた」という事態になれば、利益が吹き飛んでしまいます。
これを防ぐには、為替予約(フォワード)を利用するか、契約書で「日本円建て」での支払いを指定するのが鉄則です。
準拠法と紛争解決のハードルを認識する
万が一、海外の取引先から入金がない場合、日本の法律で裁くことが難しくなるケースがあります。
国際裁判には膨大なコストと時間がかかるため、「事実上、回収は不可能」になるリスクも覚悟しなければなりません。
だからこそ、海外取引では掛売りではなく、銀行が支払いを保証する「L/C(信用状)」取引を優先するのが一般的です。
貿易保険を活用してカントリーリスクに備える
相手企業は健全でも、その国の情勢悪化(テロや戦争、送金制限など)によって代金が届かなくなることがあります。
これを「カントリーリスク」と呼びますが、日本貿易保険(NEXI)などの保険に加入しておくことで、損失の大部分をカバーできます。
海外展開を加速させるなら、これらの公的保証制度を通販の保証サービスのように賢く利用するのがスマートです。
掛売り管理が楽になる!導入すべきアウトソーシングの形
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の利点
掛売りに関する「請求書の封入」「発送」「未入金の督促」といった一連の作業は、専門のBPO業者に委託できます。
自社の社員が貴重な時間を使って「まだ払っていただけませんか?」と電話をかける心理的なストレスを解消できるのは大きなメリットです。
プロのオペレーターが対応することで、角を立てずにスムーズに回収率を高めることが期待できます。
決済代行会社が提供する「保証型サービス」の比較
最近の決済代行サービスには、「与信審査のみ」「請求代行のみ」「100%入金保証付き」など様々なプランがあります。
自社の取引先の層や、過去の貸し倒れ率を分析して、最適なプランを選びましょう。
手数料は「売上の数パーセント」かかるのが一般的ですが、未回収リスクと事務人件費を考えれば、トータルではコスパ最強になることがほとんどです。
オンライン完結型のB2B向け決済のメリット
Amazon Businessなどのように、ログインして注文するだけで自動的に掛売り設定になるシステムがB2Bでも主流になりつつあります。
買い手にとっては「面倒な書類提出なしで後払いができる」ことが最大の顧客体験となり、競合他社との差別化に直結します。
ITを駆使して「支払いの壁」を低くすることが、現代の売上最大化の秘訣と言えるでしょう。
【結論】掛売りを制する者がビジネスを制する
メリット・デメリットを理解した上での攻めの経営
掛売りは「なぜ主流なのか」という問いの答えは、それがビジネスの成長速度を最大化するツールだからです。
リスクを恐れて現金取引に固執しすぎると、市場のシェアを競合に奪われてしまうことになりかねません。
「リスクをゼロにするのではなく、管理・コントロールする」という姿勢こそが、経営者に求められる視点です。
これからの時代の掛売りとの付き合い方
インボイス制度やDX(デジタルトランスフォーメーション)の波により、掛売りの形はより透明でスピーディーなものへと進化しています。
アナログな管理を捨て、最新の決済ツールや外部サービスを導入することで、安全性と効率性は飛躍的に向上します。
通販が私たちの生活を変えたように、ビジネスの支払いもまた、より自由でストレスのない形へと変わっていくはずです。
まずはスモールスタートで掛売りの恩恵を体感しよう
もし、まだ掛売りを導入していないのであれば、信頼できる一部の固定客から始めてみるのがおすすめです。
管理ツールを一つ導入するだけで、驚くほど事務作業が軽くなり、資金の動きが明確になるのを実感できるでしょう。
未来の売上を作るための第一歩として、今日から「攻めの掛売り」を検討してみてはいかがでしょうか。

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